2024 年 8 巻 4 号 p. 149-151
本特集では、令和6年能登半島地震発生以降の、緊急ないし応急の対応・対策が求められる時期に実践されたデジタルアーカイブに関連する事例を報告し、考察する。本稿は特集の主査として企画の意図と事例紹介をするとともに、放送アーカイブの視点から災害関連映像の留意点となる肖像権の問題や、発災以前のまちの映像の価値などについて論じる。事例は、被災状況などの情報を正確に伝えるメディアの機能を発揮した2例、被災地域に直接的に関与し復興を見据えた支援にもつながる2例からなり、いずれもデジタルアーカイブ関係者が災害発生時に何ができるかを考えるうえで示唆をもたらす。