2025 年 9 巻 s2 号 p. s130-s133
本研究は、能登地方における近年の地震を対象に、地震動指標(震度・PGV・SI値)と文化財被害の関係を分析し、被災傾向を空間的に把握したものである。2020年以降に発生した地震のうち、2023年および2024年の地震で確認された文化財被害を中心に検討を行い、地震動指標の分布と被害の発生域を比較した。その結果、文化財の被害は震度5強を境に増加する傾向がみられ、PGVやSI値を組み合わせて分析することで、震度のみでは捉えにくい被災傾向をより精度高く評価できることが示唆された。今後は、文化財の構造的特性や修復履歴を考慮しつつ、地震動履歴との対応を検証し、専門分野間で共有可能な文化財防災アーカイブの構築に向けた知見を深めていくことを目指す。