日本歯科理工学会誌
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日本の製品
ゼロフローエッチャント
水田 悠介加藤 喬大
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2024 年 43 巻 2 号 p. 101-102

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抄録

開発にあたって

近年の歯科接着技術の進化は著しく,1ステップ1液型のボンディング材や,さらに発展したユニバーサルアドヒーシブ型のボンディング材のように,高い接着力だけでなく操作の簡略化を実現した製品が発売されている.このようなボンディング材への進化とともに,歯科用エッチング材の使用を省略することが可能となった.この変化は治療の簡易化をもたらしたが,一方でエナメル質のエッチングが不十分になるリスクが高まり,コンポジットレジン充塡箇所のマージン部の着色に関するトラブルの顕在化などが懸念される.また,歯科用エッチング材は歯質の脱灰を前提とした製品であるが,矯正歯科のように健全なエナメル質に対する処置を想定すると,歯質を溶かす量はできる限り少なくすることが理想的である.以上を踏まえると,歯科用エッチング材の設計について再考する余地があると考える.当社では,エナメル質を素早く粗造化し,ボンディング材の接着性を向上させるだけでなく,「歯質を脱灰し過ぎない」という特徴的な歯科用エッチング材の開発を行った.さらに,塗布後は垂れずに適用箇所に留まり,象牙質に付着することによる過脱灰のリスクを低減する設計としたことから,その製品名を「ゼロフローエッチャント」として発売した(図1).

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