1999 年 3 巻 1 号 p. 45-47
摂食・嚥下リハ学会員の地域分布,職種を把握することを目的とし,1998年10月31日時点で会員名簿に登録されている2411名を対象とし,都道府県別集計と職種別集計を行った.あわせて昨年度データとの比較を行い,その差違について検討した. 会員数は,2411名で,昨年度より502名,前年度比126%と大幅に増加していた. 地域別では,大都市を含む都道府県,地域の会員数の割合が高かった.会員数の前年度比を見ると,会員数の少なかった北海道158%,四国154%,東北144%,中国143%で高くなっており,全国的な摂食・嚥下リハの浸透が示唆された.また,人口10万人当たりの会員数は,関東2.82人,中部2.46人と北海道0.72人の間には,3倍以上の開きがあり地域間の格差が存在した.今後も会員数の少ない地域・県への積極的な啓蒙活動が必要と思われる.職種別では,前年度比が栄養士145%,歯科医師143%と高くなっており,増加人数では,ST(465名,昨年度より97名増),歯科医師(402名,121名増)が多かった.歯科医師,歯科衛生士合わせると会員の約25%を占め,歯科領域の職種が,摂食・嚥下リハの中で大きな役割を果たしていくことが予想される.また,学会の最多数であるSTの国家資格化に伴い,摂食・嚥下リハにおけるSTの一層の活躍が期待される. 学会発足3年目を迎え,摂食・嚥下リハのさらなる発展のため,学会による積極的な啓蒙活動が望まれる.