日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
Online ISSN : 2434-2254
Print ISSN : 1343-8441
研究報告
重症度に応じた嚥下障害食と食事介助方法の標準化の試み
中東 真紀
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2005 年 9 巻 1 号 p. 71-75

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抄録

【目的】摂食・嚥下障害患者に対する栄養の補給は最も重要な課題である.しかしそれには高度な技術を要する.しかし,言語聴覚士や専門の看護師の数は少なく,毎日の食事介助の現場では苦慮しているのが現状である.そこで当院では,医師の指示のもと,栄養士の立場から嚥下障害食を基準化(嚥下食基準)し,栄養士や家族でも適用可能な食事介助方法の標準化(食事介助マニュアル)を試みた.

【方法】嚥下食基準は,患者を摂食・嚥下障害臨床的重症度分類(DSS)に沿って評価し,適用する嚥下食を重度障害(DSS 4:機会誤嚥),中等度障害(DSS 5:口腔問題),軽度障害(DSS 6:軽度問題)の3段階に分けた.いずれも水分補給を重視し,ゼラチンや増粘剤を用いてなるべく「固まり」として食べられることを主眼とした.次に,脳卒中による摂食・嚥下障害患者2例を対象にし,嚥下食基準と食事介助マニュアルを適用して栄養管理を行なった.

【結果と考察】両者とも経口での食事摂取が可能となった.嚥下障害臨床的重症度がDSS 4~6の患者であって,ムセが誤嚥の指標となる場合には,嚥下食基準と食事介助マニュアルは安全な食事介助に貢献することが示唆された.

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© 2005 一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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