日本透析医学会雑誌
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症例報告
全身性エリテマトーデス加療中にGoodpasture症候群を発症し血液浄化療法を併用し救命しえた1例
中村 裕也中川 潤澁谷 あすか鈴木 一恵安藤 稔
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2008 年 41 巻 2 号 p. 145-149

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抄録
全身性ループスエリテマトーデス(SLE)加療中にGoodpasture症候群を発症した症例を報告する.症例:64歳女性.1999年にSLEと診断され,最近1年間はプレドニゾロン(PSL)9mg/日の内服治療にてSLEの病状はほぼ安定していた.2005年5月8日に発熱持続のため当院救急外来を受診し入院となった.急性腎盂腎炎を疑い抗生物質の投与を開始したが解熱せず,第4病日には乏尿となった.急速な腎機能障害の出現などから急速進行性糸球体腎炎(RPGN)を疑い,第6病日から血液透析治療,メチルプレドニゾロン1,000mg点滴静脈注射によるパルス療法,プレドニゾロン60mg/日の内服投与を開始した.第9病日に抗糸球体基底膜(GBM)抗体が300EU以上との結果が出たため抗GBM抗体型RPGNと診断し,単純血漿交換療法を開始した.しかし,第25病日に肺胞出血をおこし人工呼吸管理となり,この時点で臨床的にGoodpasture症候群と診断した.その後もステロイドパルス療法,血液透析療法,血漿交換療法による集学的治療を継続することにより肺病変も改善し,抗GBM抗体を順調に下げることができ救命しえた.しかし,腎機能は改善せず,現在,近医で維持透析を施行中である.ステロイド薬は継続投与されているが病状は安定している.本症例は,SLE患者に抗GBM抗体陽性で肺胞出血をきたしたGoodpasture症候群を発症し血漿交換療法を行い救命しえた稀少な症例と考え報告する.
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© 2008 一般社団法人 日本透析医学会
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