抄録
【目的】熱源や構造の異なるオーブンに蒸気を供給した場合の加熱特性の変化と、蒸気供給による食品の脱脂効果を明らかにすることを目的として共同研究を行った。
【方法】8実験室で10種のオーブン(業務用4種、家庭用6種)12台を使用した。庫内に蒸気を供給しない場合(HA)と供給する場合(SHS、蒸気量可変の機種は100%に設定)で、庫内温度250℃設定で予熱した後、試料を加熱した。各オーブンの加熱特性を得るため、湿らせたガーゼ球(重量0.60~0.85g、直径13~15mm)を試料とし、ガーゼ球の表面と中心温度、近傍の気流温度、加熱前後の重量を測定し、複合熱伝達率および蒸気量を推算した。次に、市販のソーセージ(水分58%、脂質24%、直径約50mm)を厚さ15mmに切り、天板に金網をセットした上に4個並べ、試料近傍の気流温度および試料の中心温度を測定しながら10分間加熱した。加熱前後の試料重量から重量変化率を、天板に落下した油の量から脱脂率をそれぞれ求めた。
【結果】蒸気量(上昇速度と最大量)は機種によって大きく異なり、業務用のオーブンは家庭用のものよりも高いことが確認された。ソーセージの内部温度変化から、加熱初期(5分間)の温度上昇速度は、SHSの方がHAよりも速くなっていることが確認された。脱脂率は、重量減少率と正の相関が認められた。蒸気供給による脱脂効果については、蒸気量が非常に高い機種においてSHSの方が脱脂率が高くなる傾向が見られたが、家庭用で蒸気量がより低い機種においてはHAの方が有意に高くなることが確認された。