抄録
【背景】経皮経管的血管形成術 (PTA) 中の疼痛管理は問題となる. 【対象・方法】2013年8月から2014年5月の間, PTA施行時44回 (22名) にミダゾラムを投与し, 使用以前・投与後の患者と検査医師評価の疼痛緩和に対するVAS, 合併症, 投与量などを検討した. 【結果】ミダゾラム投与で有意に疼痛緩和が得られ (82±18mm vs. 11±32mm ; p<0.001), ほぼ全員が次回投与を希望した. 患者より医師評価のほうがVASは有意に高値であった (38±38mm vs. 15±25mm ; p<0.01). 平均投与量0.06±0.02mg/kgで, 睡眠薬内服者の投与量が有意に多かった (p<0.05). 合併症は舌根沈下と軽度動脈血酸素飽和度低下9回, 不穏2回で全例下顎挙上やフルマゼニルで改善した. 【まとめ】透析患者でもミダゾラムは安全に使用でき, 外来PTA時疼痛緩和に有用である.