日本透析医学会雑誌
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腹膜透析 (PD) レジストリ2014年末調査報告
政金 生人長谷川 毅尾形 聡木全 直樹中井 滋花房 規男濱野 高行若井 建志和田 篤志新田 孝作
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2016 年 49 巻 1 号 p. 35-45

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抄録

2009年より日本透析医学会統計調査委員会の年末全国調査の一環として日本腹膜透析医学会の協力のもと「腹膜透析 (PD) レジストリ」が開始されている. 今回2014年末に行われた調査結果からPD患者の現状を報告する. 対象は2014年末全国調査で報告されたわが国のPD患者. 血液 (濾過) 透析 (HD (F)) 等との併用状況, 透析液交換方法, 自動腹膜透析装置 (APD) 使用状況, 腹膜炎および出口部感染発症率などについて記述的解析を行った. 2014年末の施設調査では, PD患者数は9,255名で2013年末と比較し137名減少し, 全透析患者に占める割合も2.9%と0.1%減少した. 腹膜カテーテルを残している洗浄患者は278名, 新規PD導入するも2014年内に脱落した患者193名, HD (F) 等とPDを併用している患者1,913名であった. HD (F) 等併用療法の割合はPD歴1年未満で3.3%, 1~2年未満で10.1%, 2~4年未満で16.3%, 4~6年未満で26.9%, 6~8年未満で40.9%, 8~10年未満で53.5%, 10年以上で58.7%とPD歴が長くなるにつれて高くなっていた. 透析液交換方法に関しては完全手動交換のみを行うPD患者は32.2%, 紫外線もしくは熱式無菌接合装置によるバッグ交換デバイスを用いているPD患者はそれぞれ52.6%, 13.7%であった. 腹膜炎発症率は平均0.21回/1患者・年 (1回/57.1患者・月) であった. 出口部感染発症率は平均0.40回/1患者・年 (1回/30.0患者・月) であった.

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© 2016 一般社団法人 日本透析医学会
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