日本透析医学会雑誌
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症例報告
重症IgA血管炎に対する血漿交換後に可逆性白質脳症をきたした1例
平良 翔吾照喜名 重朋安達 崇之玉寄 しおり喜久村 祐永山 聖光西平 守邦小禄 雅人下地 國浩潮平 芳樹井関 邦敏
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2019 年 52 巻 8 号 p. 491-496

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抄録

27歳, 女性. 感冒後に多関節痛と両下腿の皮疹を認め入院となり, 入院3日目より肉眼的血尿と蛋白尿を認めた. 皮膚・胃組織へのIgA沈着と腎組織でメサンギウム領域へのIgA沈着を伴う管内増殖性糸球体腎炎を認めIgA血管炎の診断となった. ステロイドパルス療法への効果は乏しく, 血漿交換・免疫抑制薬併用となり, 3回目の血漿交換翌日に全身性強直間代性痙攣を認めた. 痙攣直後のMRIにて大脳皮質の多発白質病変を認め, 痙攣16日後のMRIにて同病変の消失を認め, 可逆性白質脳症の診断となった. IgA血管炎や免疫抑制薬, ネフローゼ症候群への血漿交換など多様な要因から可逆性白質脳症をきたしたと考えられる1例を報告する.

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© 2019 一般社団法人 日本透析医学会
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