日本透析医学会雑誌
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症例報告
大動脈弁狭窄症に対して弁置換術を施行した透析歴44年の1例
小倉 吉保三浦 純男竹中 悠人羽柴 豊大古川 恵美安倍 寛子真弓 健吾古瀬 智竹谷 剛大野 貴之森 正也三瀬 直文
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2021 年 54 巻 3 号 p. 159-163

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抄録

69歳男性,透析歴44年(非糖尿病).頸椎脊柱管狭窄症,手根管症候群手術,左アミロイド股関節症,左重症下肢虚血にて経皮的血管形成術の既往あり.4年前から大動脈弁狭窄症を指摘されていたが,症状なく経過していた.2か月前より歩行時呼吸困難が出現.心臓超音波検査にて大動脈弁口面積0.9 cm2,最高大動脈弁口血流速度4.5 m/秒,平均圧較差45 mmHgと,大動脈弁狭窄症の増悪が認められ,症状の原因と考えられた.牛心のう膜生体弁を用いて大動脈弁置換術を施行.患者の大動脈弁は,3尖とも均一に高度に硬化していた.組織学的には,硝子化を伴う線維性肥厚と,結節状石灰化がみられ,透析アミロイドの高度沈着が認められた.経過良好であったが,心臓リハビリテーションに時間を要し,術後30日に退院した.労作時呼吸困難は改善し,退院時にはNYHA Ⅰ度となった.長期透析例であったが,大動脈弁置換術を安全に施行することができた.

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© 2021 一般社団法人 日本透析医学会
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