日本透析医学会雑誌
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症例報告
バスキュラーアクセス穿刺部感染に内因性細菌性眼内炎を合併した1例
髙島 朗人松村 克典赤垣 冬子中森 綾杉浦 寿央
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2023 年 56 巻 7 号 p. 271-275

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抄録

症例:60歳男性,糖尿病性腎症,透析歴9年.当院紹介受診・入院の7日前に左前腕自己血管使用皮下動静脈瘻(AVF)穿刺部感染を発症しバンコマイシン経静脈投与を開始した.発症日から右視力障害を自覚したが糖尿病網膜症による視力障害の既往が複数回あり自己判断で後日に眼科受診を予定した.発症8日後にAVF穿刺部感染による右内因性細菌性眼内炎合併と診断しバンコマイシン硝子体注射,発症9日後に右硝子体手術・眼内レンズ抜去術を行った.敗血症性肺塞栓症・下腿打撲創部感染も合併した.血液培養は陰性,右眼房水・AVF穿刺部浸出液・下腿打撲創からメチシリン感受性黄色ブドウ球菌を認めセファゾリン経静脈投与に変更した.AVF感染・敗血症性肺塞栓症・下腿打撲創部感染は改善し眼球摘出は免れたが,光覚は消失した.視力予後を改善し,眼球摘出を避けるためにAVF感染時に内因性細菌性眼内炎発症の可能性を考慮し早期診断・治療開始に努めるべきである.

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© 2023 一般社団法人 日本透析医学会
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