日本透析医学会雑誌
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症例報告
維持血液透析中のC型肝炎患者に対するdirect acting antivirals治療後に発症したサルコイドーシスの1例
五十嵐 一彦上川 康貴梶川 尚加藤 珠代潮木 保幸
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2023 年 56 巻 7 号 p. 277-282

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抄録

サルコイドーシスは全身多臓器を侵す肉芽腫性疾患であり,C型慢性肝炎患者や同疾患治療後に合併することが知られている.今回,C型慢性肝炎にdirect acting antivirals(DAA)治療を行った後にサルコイドーシスを発症した維持血液症例を経験した.症例は40歳代男性.20歳時に交通外傷に対する手術時に輸血を施行された.IgA腎症による慢性腎臓病に対しX-5年から維持血液透析を開始した.X-1年6月,C型慢性肝炎に対しDAA治療を開始した.X年2月に透析時の霧視が出現した.眼科にて両眼性肉芽腫性ぶどう膜炎を認めた.また血液検査ではsIL-2R高値,肺門リンパ節生検にて非乾酪性類上皮肉芽腫を認めたことからサルコイドーシスと診断した.本症例では明らかな高Ca血症を示さなかったが,内因性に1α,25-dihydroxyvitamin D3が上昇し,霧視症状出現以前からPTH-intactが低下していた.腎不全例においては高Ca血症の有無にかかわらずPTH-intactの抑制を機にサルコイドーシスを鑑別にあげることが必要と考えられる.

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© 2023 一般社団法人 日本透析医学会
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