抄録
日本透析療法学会の調べでは, 1985年末現在10年以上透析を受けている患者は7050名に達しているが, 今回アンケート調査を行い92施設から2065名の患者につき解答を得たのでその結果を報告する.
原疾患は慢性糸球体腎炎が79.5%ともっとも多く, 発病後5年で腎不全におちいり, その1年後に透析が開始されている. 現在入院中の患者が5.0%いるが, 50.8%は昼間外来透析を受け, 43.1%が夜間透析を受けている. 血液透析が97.6%で週3回計13時間の透析を受けており, CAPDは1.1%と少ない.
最近1年間に輸血をされた患者は14.5%で平均輸血量は1428mlである. 透析開始後10年までの期間に重大な合併症を経験した患者は32.4%で, 23.2%が現在も持続する合併症を有する. 合併症の主要なものは骨およびCa代謝の障害で, 血管壁ならびに軟部組織の石灰化が15.0%, 骨折が6.0%にみられ, 骨痛ないし関節痛を有するものは36.0%に達する. すでに上皮小体摘除術を受けた患者は7.3%にある. 最近注目されている手根管症候群は13.1%にみられた.
主婦を含む71.2%が週5日以上就業しており, 透析ライフの満足度を良とするものが60%を超え, 種々の合併症はあっても社会復帰状況は10年を超えても, 1-5年, 5-10年に比較して低下していない.
現在の検査成績は血圧129-74mmHg, Ht 26.8%, 透析前BUN 81.6mg/dl, Cr 13.2mg/dlと透析患者の目標値を維持している.