抄録
腹水を伴った5例の末期癌患者に対し, 腹水穿刺排液時, 及び自家腹水濾過濃縮再静注時の循環動態をSwan-Ganzカテーテル等を用いて検討した. 腹水穿刺排液 (腹水排液) は3,000-4,800mlを30-120分にて行ったが, 中心静脈圧, 平均肺動脈圧, 肺動脈楔入圧, 心拍出量, 体血圧, 心拍数等については, 著明な変動は認められなかった. 又, 自家腹水濾過濃縮再静注 (腹水再静注) は, 480-1,200mlを約240分かけて行ったが, 中心静脈圧, 平均肺動脈圧, 肺動脈楔入圧について, 若干の増加傾向を認めたが, 心拍数, 体血圧は不変であった. 以上, 腹水排液, ならびに腹水再静注法が循環動態に及ぼす影響は軽微であった.