脳卒中
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原著
高齢日本人非弁膜症性心房細動患者においてワルファリン治療の質が虚血性および出血性イベント発症に及ぼす影響
中島 一夫仲 元司西山 修高濱 充貴西森 栄太樋口 陽
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2017 年 39 巻 4 号 p. 261-267

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抄録

【目的および方法】ワルファリン投与中の70 歳以上の非弁膜症性心房細動患者512 例(年齢75.5±5.7 歳,女性198 例)を対象に,PT-INR(プロトロンビン時間 国際標準比)1.6~2.6 に対するtime in therapeutic range(TTR)が虚血性/出血性イベント発症に及ぼす影響を後ろ向きに検討した.【結果】全36,101 カ月間の観察期間中に60 例の虚血性イベントおよび30 例の出血性イベントが発症した.Cox 比例ハザードモデルを用いた多変量解析にて,TTR≥55.6%は独立した虚血性イベント発症抑制因子(ハザード比,0.54;95%信頼区間,0.30–0.96;p=0.037)となったが,TTR と出血性イベント発症に有意な関連性を認めなかった.【結論】高齢非弁膜症性心房細動患者においてワルファリン治療の質の向上は虚血性イベント発症を有意に抑制した.

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© 2017 日本脳卒中学会
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