抄録
手術目的で転入した透析患者20名に対し, 手術や透析等への不安や心理状態を把握するためアンケート調査を実施した. 主な手術は胃切除, 大腿骨人工骨頭置換術, 腎摘出術, 子宮全摘術, 腎移植等であった. 手術に対しての不安は, 透析を受けていない一般患者と同様にみられた. 透析に対しての不安は, 手術後の出血, 透析方法, 高カリウム血症, 透析予定, 点滴による体重増加等が多くみられた. 腎移植を受けた患者では, 手術後の透析についての不安が少なく, 手術が成功するかという不安が多くみられた. 以上の所見は, 転入患者が前病院との透析方法の相違による不安や患者自身が元来, 貧血や低栄養状態であるため手術により一層増悪するのではないかという不安があったためと考えられる.