日本透析医学会雑誌
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Bモード・カラードップラー複合法による血液透析用動静脈瘻機能不全の評価
柳沢 良三岸 洋一
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1998 年 31 巻 4 号 p. 289-293

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抄録

慢性血液透析患者14例について, シャント血流不足や静脈圧上昇などのシャント機能不全をきたした血液透析用動静脈瘻をBモード・カラードップラー複合法を用いて評価した. シャント機能不全の原因として静脈拡張不全や血栓形成の存在を認めた. また静脈壁の解離像や静脈弁などの内部構造のほか, カラードップラー表示により, 深部静脈への側副血行路も確認できた. 血液透析用動静脈瘻の面積狭窄率は狭窄部と前後の非狭窄部の血流速度を計測することで算定し得た. Bモード・カラードップラー複合法は血管の内部構造や深部静脈への流入などの立体的観察, 面積狭窄率の血流速度による算定などが可能であり, 血液透析用動静脈瘻の機能不全の診断に有用と考えられた.

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© 社団法人 日本透析医学会
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