日本透析医学会雑誌
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公立気仙沼総合病院における維持透析患者の前立腺癌スクリーニングの検討
松下 真史内 啓一郎岡田 康弘
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2005 年 38 巻 11 号 p. 1685-1688

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抄録

近年, 前立腺癌検診の普及に伴い前立腺癌患者数は増加している. われわれは公立気仙沼総合病院における維持透析患者に前立腺癌のスクリーニングを施行したので臨床的検討を加え報告する.
2003年7月から2005年4月までの1年10か月間に当院で維持透析を施行している50歳以上の男性94名を対象とした. 全員に血清PSA検査を行い, PSA 4.00ng/mL以上の患者には原則的に前立腺生検を行うことにした. 生検は全症例に経直腸超音波ガイド下にて経直腸的に14箇所前立腺生検を行った. 対象者の年齢は50-84歳 (平均65.8歳) で, PSAは0.15-63.81ng/mL (平均2.94ng/mL) であった. 94名中PSA 4.00ng/mL以上の患者は10名で, その中でPSAが4.00-9.99ng/mLのgray zoneは7名で, PSA 10.00ng/mL以上は3名であった. 生検の適応外と判断した2名を除いた合計8名に前立腺生検を行い, 3名に前立腺癌がみつかった. 前立腺癌発見率は3.2%で, 生検陽性率は37.5%であった. これは一般前立腺癌検診の0.89%より高い結果となった. 3名の前立腺癌患者は全員が70歳以下かつ局所限局性前立腺癌であり根治的前立腺全摘除術を施行した.
維持透析患者の前立腺癌発見率は非透析患者と同等かそれ以上の結果となり, 前立腺癌の早期発見にはPSAのスクリーニングが重要である.

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