心電図
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第21回 頻拍症カンファランス AVNRTを見直す
電気生理学的所見から見たAVNRTのSubstrate
里見 和浩大友 潔
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キーワード: AVNRT, reentry, AV node
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2014 年 33 巻 4 号 p. 362-372

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抄録

房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)のメカニズムは,房室結節二重伝導路間のリエントリーと理解され,遅伝導路に対するアブレーションが極めて有効である.一方,そのリエントリー回路の解剖学的広がりは,いまだ不明な点が多く,心房筋をその回路に含むかどうかさえ,議論の対象になっている.房室結節から離れた遅伝導路の焼灼で頻拍が誘発不能になること,長い連結期で頻拍がリセット可能であることから,心房を含んだ大きな回路であることが想定される.一方,上位共通路の存在は心房筋を回路に含まない根拠になりうる.さらに本稿ではAVNRTの電気生理学的基質において,いまだ明らかになっていない3つの課題である,(1)下位共通路の存在とlower turn around site,(2)上位共通路(upper common pathway)の特徴,(3)Leftward posterior nodal extensionの役割につき,自験例に基づいて報告した.

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© 2014 一般社団法人日本不整脈心電学会
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