心電図
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心室内興奮伝播過程推定のための体表面VAT等時線図の有用性と限界
―心室興奮伝播シミュレーション手法を用いて―
洞庭 賢一
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1981 年 1 巻 2 号 p. 160-171

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抄録
体表面電位図表現の一方法として, 多数の誘導点での心室興奮到達時間 (VAT) に関しての等時線図を用い, その心室興奮伝播異常の診断に対する有用性と限界を, 心室興奮伝播シミュレーション実験により検討した。
すなわち, 人心室を1辺1.5mmの立方体約5万個の集合としてモデル表現した。別に胴体モデルから求めた伝達インピーダンスを用いて, 上記心室モデルでの興奮伝播シミュレーションとあわせて, 体表面85点の心電図波形を求めた。この心電図QRS群のR波の直後の零交差時をVATと決め, VAT等時線図を作成した。
その結果, 心室性期外収縮, 右脚ブロック, 一部の心筋梗塞では, 心室興奮伝播異常をVAT等時線図で診断することの有用性が考えられた。しかし, 正常興奮伝播, WPW症候群などでは, この方式による診断は困難で, その限界が示唆された。
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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