心電図
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心電図コンピュータ診断の問題点―汎用自動心電計による解析精度の検討―
新 博次遠藤 康実八島 正明加藤 貴雄岸田 浩早川 弘一
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1992 年 12 巻 2 号 p. 153-160

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抄録
最近の汎用自動診断心電計2機種による自動診断精度につき検討した.
Positve predictability (PPD) はWPW症候群で69~88%, 心房細動60~93%, 1度房室ブロック92~98%であった.不整脈の診断精度はP波の認識精度に問題があり, 全般にPPDが低下し, ことに上室性期外収縮ではfalse negativeが多くみられた.心筋梗塞の診断は, 側壁梗塞の診断精度が他の部位と比し劣る傾向であった.異常Q波の感度は100%であったが, PPDは57%と低値を示し, R波増高不良は感度55%, PPD92%であり, 心筋梗塞の部位別診断精度に反映しているものと考えられた.
正常範囲内と診断された1, 139例のPPDは98%であり, そのfalse positveには臨床上問題となる所見は含まれず, 正常範囲内と表示された場合の信頼性は高いものと考えられた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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