抄録
QRS区間内の微小高周波成分を検出し, その経時的な形態変化から心室内興奮伝播様式の解析を行った.検出には時間情報の歪みが小さく, 濾波特性の変更が容易なsubtraction法を用い最適な濾波特性を求めた.対象は健常例 (N群) , 右, 左脚ブロック例 (R, L群) , 右, 左脚ブロック型心室期外収縮例 (VR, VL群) とした.N群は初期低振幅, 中期高振幅, 後期低振幅の3成分を形成した.R群はN群より中期の振幅は低く, 後期の持続時間は延長した.L群は中, 後期の分離は不明瞭で, 持続時間は著明に延長し振幅は低値を示した.VR, VL群は初期の持続時間は延長し振幅は低値を示した.以上より伝導系を介する興奮は持続時間は短く, 電位変動が大で高周波成分を多く含んでいた.伝導障害, 興奮発生・進行の異常による心室筋内伝導の場合は持続時間は延長し, 電位変動が小さいと考えられた.本研究により心室内興奮伝播様式の鑑別が可能と考えられた.