抄録
体表面電位図は12誘導心電図に比し体表面全体からより広範な心電情報を得ることができる.さらに, 電位を1msecのサンプリング間隔でデジタル記録しているため, 電位を時間について微分あるいは積分することにより新しい心電情報を抽出することも容易である.体表面電位図を用いた不整脈解析においては, WPW症候群における副伝導路の位置の同定や不整脈の起源の同定および不整脈の基質となる再分極特性の不均一性等について, 我が国からもマイルストーンとなる研究が数多く報告されている.本稿では, 体表面電位図を用いた不整脈解析について, 我が国における代表的研究を中心とした歴史と, 電位を時間について積分して得られるQRST mapおよび微分して得られるactivation-recovery interval, recoverytimeの体表面電位図における応用について概説し, さらに心電図のRMS curveからその微分値を応用し, 算出した新しい再分極特性の指標であるWTについても紹介したい.