抄録
Brugada症候群におけるrisk stratificationを明らかにするため, 脱分極 (伝導) 異常を反映するfate potentials (LP) , 再分極異常を反映するQT dispersion (QTD) およびT-wave alternans (TWA) と不整脈事故との関連性を, 電気生理学的誘発性 (EPS) やH-V時間と絡めて評価した, 対象は, Brugada型心電波形を示した44例である.LP, QTD, TWAの測定はすべて自動計測で行われ, V1~V3誘導の最大ST上昇値も自動計測された, EPSによる誘発には, 抗不整脈薬も使用された.検査時に典型的Brugada波形を示した33例における各指標の陽1生率は, LP: 24例 (73%) , TWA: 5例 (15%) , QTD: 9例 (27%) であった.LPの陽1生率は健常者40例と比較して有意に高値であった (P<0.0001) が, QTDとTWAについては差を認めなかった.不整脈事故の既往は19例 (58%) に認められ, このうち15例 (79%) ではEPSで心室性不整脈が誘発された.不整脈事故のなかった5例では, 全例不整脈は誘発されなかった.LPのみが不整脈事故と有意な関連性を示し (p=0.017, オツズ比8.5) , これはH-V時間や最大ST上昇値とは無関係であり, その感度は89%と高かった.LPはBrugada患者における有用な予知指標であり, ハイリスク症例のスクリーニングに有用と考えられた.