心電図
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23 巻, 2 号
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  • 鎌倉 史郎
    2003 年 23 巻 2 号 p. 127-128
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 清水 渉, 野田 崇, 田邊 康子, 高木 洋, 里見 和浩, 須山 和弘, 栗田 隆志, 相原 直彦, 鎌倉 史郎
    2003 年 23 巻 2 号 p. 141-146
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    先天性QT延長症候群 (LQTS) の遺伝子型の推定と, 非浸透患者の検出におけるEpinephrine (Epi) 負荷試験の有用性を検討した.【検討1】LQT1患者12例, LQT2患者10例, LQT3患者6例, 対照群13例を対象とし, Epi0.1μg/kgのボーラス静注+0.1μg/kg/分の持続点滴を施行した.LQT1とLQT2では, 心拍数上昇に一致してQTcが著明に延長したが, 定常状態においてはLQT1ではQTc延長が持続したのに対して, LQT2ではコントロール時付近まで短縮した.LQT3では, 心拍数上昇時のQTc延長はLQT1, LQT2に比べて軽度で, 定常状態ではコントロール時以下に短縮した.【検討2】LQT1の11家系 (46例) , 対照群15例に, 同様のEpi負荷を行った.LQT1群は, 安静時QTc≧460msecのmutation carrier19例 (I群) , QTc<460msecのmutation carrier15例 (II群) , nonmutation carrier12例 (III群) に分類した.Epi後の定常状態では, mutation carrierのI群とII群でのみQTc延長を認めた.Epi前の心電図によるLQT1診断率は, 感受性 (浸透率) 59% (20/34) , 特異性100% (12/12) であったが, Epi後, 特異性は100%のままで, 感受性は91% (31/34) に向上した.以上より, Epinephrine負荷試験は, 遺伝子型の推定, およびLQT1患者では, 心電図による診断率の向上 (非浸透患者の検出) に有用と考えられた.
  • 小児心電学研究会 , 住友 直方, 原田 研介, 長嶋 正實, 中村 好秀, 新垣 義夫, 松岡 優, 牛ノ濱 大也, 城尾 邦隆, 柴田 ...
    2003 年 23 巻 2 号 p. 147-151
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    【目的】カテコラミン (CA) 誘発性多形性心室頻拍 (CPVT) は極めてまれな心室頻拍である.CPVTの実態を調査し治療, 管理方法, 予後などを検討する目的で本研究を行った, 【方法および結果】多施設から集計した29症例 (男13例, 女16例, 発症年齢10.3±6.1歳) を対象とした.発見動機は失神23例 (79%) , 心停止2例 (7%) , 家族歴4例 (14%) であった.CPVTの心拍数は毎分192±30で, 非持続性21例 (72%) , 持続性6例 (21%) , 心室細動3例 (10%) であった.運動負荷で27例中27例 (100%) , CA静注で16例中12例 (75%) にCPVTが誘発されたが, プログラム刺激 (EPS) では18例中誘発例はなかった.加算平均心電図は10例で記録したが, LP陽1生例はなかった.6.8±4.9年の経過観察で7例 (24%) が突然死し, 脳性麻痺を2例 (7%) に認めた.24家系の内2家系に家族歴を認め, 常染色体優性遺伝 (AD) が疑われた.治療はβ遮断薬単独投与が29例中21例 (プロプラノロール17例, アテノロール3例, カルテオロール1例) , ベラバミルとβ遮断薬が3例であった.メキシレチンの単独もしくは併用を行ったのは3例, ジソピラミドの併用は1例で, これら4例の内3例が突然死した.β遮断薬からフレカイニドへ変更した1例は, 頻回の失神を繰り返した, カテーテルアブレーションは3例に試みられたが, 成功例はなかった, 家族性の3例でベラバミルの静注を行い, CPVTの抑制効果を認めた.【結語】CPVTは予後不良で, 高率に心室細動を起こす.本症はEPSで誘発されず, LPが陰性で, 運動およびCAで誘発されることより, CA感受性の自動能が機序として考えられる、今回ADのCPVTで, Ca拮抗薬がCPVTを抑制することがわかり, β遮断薬以外にCa拮抗薬も治療薬となりうる可能性が示された.CPVTの根治は困難で, ICD植込みの適応と考えられる.
  • 池田 隆徳, 高見 光央, 川瀬 綾香, 熊谷 賢太, 酒井 毅, 手塚 尚紀, 中江 武志, 坂田 隆夫, 野呂 眞人, 円城寺 由久, ...
    2003 年 23 巻 2 号 p. 152-158
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Brugada症候群におけるrisk stratificationを明らかにするため, 脱分極 (伝導) 異常を反映するfate potentials (LP) , 再分極異常を反映するQT dispersion (QTD) およびT-wave alternans (TWA) と不整脈事故との関連性を, 電気生理学的誘発性 (EPS) やH-V時間と絡めて評価した, 対象は, Brugada型心電波形を示した44例である.LP, QTD, TWAの測定はすべて自動計測で行われ, V1~V3誘導の最大ST上昇値も自動計測された, EPSによる誘発には, 抗不整脈薬も使用された.検査時に典型的Brugada波形を示した33例における各指標の陽1生率は, LP: 24例 (73%) , TWA: 5例 (15%) , QTD: 9例 (27%) であった.LPの陽1生率は健常者40例と比較して有意に高値であった (P<0.0001) が, QTDとTWAについては差を認めなかった.不整脈事故の既往は19例 (58%) に認められ, このうち15例 (79%) ではEPSで心室性不整脈が誘発された.不整脈事故のなかった5例では, 全例不整脈は誘発されなかった.LPのみが不整脈事故と有意な関連性を示し (p=0.017, オツズ比8.5) , これはH-V時間や最大ST上昇値とは無関係であり, その感度は89%と高かった.LPはBrugada患者における有用な予知指標であり, ハイリスク症例のスクリーニングに有用と考えられた.
  • 森田 宏, 永瀬 聡, 原岡 佳代, 藤尾 栄起, 久松 研一, 森田 志保, 垣下 幹夫, 中村 一文, 草野 研吾, 江森 哲郎, 松原 ...
    2003 年 23 巻 2 号 p. 159-167
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Brugada症候群は心室細動から突然死をきたす症候群であるが病態は不明な点が多い, 心室細動の発作をきたしている症例は予後不良で治療のため植込み型除細動器が必要であるが, 無症候例は検診で0.1~03%にみられるものの, 長期予後は不明である.現在無症候例に対し, どこまで検査・治療を行うべきかが問題となっている.我々は無症候性Brugada症候群患者のリスクを評価するために, Na遮断薬 (ピルジカイニド) を用いた負荷試験や電気生理学的検査を施行し, 患者を5段階に分類し, 段階の高いものほどハイリスクと考えている.
    レベルI: Naチャネル遮断薬 (ピルジカイニド静注) でST上昇なし
    レベルII: Naチャネル遮断薬でST上昇が増強
    レベルIII: 電気生理学的検査で心室細動が誘発
    レベルIV: 突然死の家族歴あり
    レベルV: 失神・心室細動の既往あり
  • 北村 秀綱, 大西 祥男, 吉田 明弘, 岡嶋 克則, 石田 明彦, Erdulfo J Galeano, 久保 信也, 横山 光宏
    2003 年 23 巻 2 号 p. 168-173
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    非虚血性拡張型心筋症 (DCM) 患者において, 心不全に対する治療の進歩によりその予後は改善してきたが, 突然死の予知はいまだ解決されていない重要課題である.近年, Microvolt-level T wave alternans (TWA) は致死的不整脈や突然死との関連が報告されている.我々は, TWAの発生因子は, 臨床的に左室拡張末期径の増大, 心室頻拍の存在であることを報告してきた.また, DCM患者の致死的不整脈の発生を予測するうえで, TWAの存在, 左室駆出率 (LVEF) の低下が有用であることを報告した.しかしながら, 以前から指摘されているように, TWA検査は, 従来の陽性基準では, 致死的不整脈の予知に対して感度は高いが, 特異度, 正確度が低いことが問題とされ, よりよい指標が求められている.また, TWAの発生は, 心拍数に依存しており, より低い心拍数でTWAが認められる患者ほど, 致死的不整脈の発生の危険が高いと考えられるが, TWAの出現開始心拍数と臨床指標, さらに, 予後との関連についての報告はない.そこで, 我々は, DCM患者の不整脈事故を予測するうえで, TWAの出現開始心拍数の臨床的重要性について検討した.【対象】Cambridge Heat社製CH2000を用い前向きにTWAを施行し得たDCM104例 (男性84例; 平均年齢52±15歳) である.【方法】心事故は, 突然死, 心室細動と持続性心室頻拍の発生とした.TWA陽性基準は, alternans voltage1.9μV以上かつalternans ratio3.0以上が1分以上持続する場合とし, 陽性患者をOHRにより2群に分け (Group A with OHR<100bpm; Group B with100<OHR≦110) , 陰性患者はGroup Cとした.【結果】 (1) TWA陽性は46例 (44%) で認められ, Group Aは24例 (23%) , Group Bは22例 (21%) , Group Cは37例 (36%) , 判定不能例は21例 (20%) であった.この21例は, 予後解析から除外し, 83例において経過観察した. (2) Group AとGroup Bの間に, 各臨床的指標には差は無く, Group BとGroup Cの間には, 非持続性心室性頻拍だけがGroup Bに多く認められた. (3) 経過観察期間は, 平均21±14カ月で, Group Aは3人の突然死を含む9例, Group Bは2例, Group Cは1例の計12例の心事故が認められた.また, TWAとTWA with OHR≦100bpm (TWA+OHR) の心事故に対する (感度, 特異度, 正確度) はTWA (92%, 51%, 57%, p=0.01) , TWA+OHR (75%, 84%, 78%, p=0.001) でTWA+〇HRはTWA単独に比較して感度は低くなるが, 特異度, 正確度において改善した.【結論】DCM患者の心事故を予測するうえで, TWAの出現開始心拍数 (OHR) は有用であった. (心電図, 2003; 23=168~173)
  • ―加算平均心電図と電気生理学的検査からの検討―
    手島 保, 桜田 春水, 岡崎 英隆, 板垣 和男, 深水 誠治, 柳瀬 治, 山口 博明, 西崎 光弘, 平岡 昌和
    2003 年 23 巻 2 号 p. 174-180
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    虚血性心疾患と心筋症における致死的不整脈の検出と予知について, 加算平均心電図と電気生理学的検査 (EPS) を用い検討した.陳旧性心筋梗塞698例, 心筋症179例を対象として, 加算平均心電図を記録した.RMS40値<10μVをLP強陽性と定義すると, LP強陽性例は118例に認められ, そのうち持続性心室頻拍 (VT) の既往例は49例 (42%) であった.既往のない例でも, EPS施行例ではVTが90%に誘発された.VTの既往例のうち74%は再発し, その約半数が突然死した.VTの既往のない例ではEPS施行例も未施行例も不整脈イベントの発生率は約20%と同様で, 突然死の率も約10%と同様であった, VTの誘発不能例では不整脈イベントの発生はみられなかった.不整脈イベントは左室駆出率 (LVEF) が低値な例に多く, 突然死した症例はLVEFが35%以下の症例に有意に高率であった.LP強陽性は致死的不整脈に対する予測に優れており, さらに突然死については低左心機能が関与した.
  • 奥村 謙, 小松 隆
    2003 年 23 巻 2 号 p. 181-189
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    頻脈性不整脈の治療の目的は, 自覚症状を改善し, QOLと生命予後を改善することにある.治療としてI群抗不整脈薬 (Na+チャネル遮断薬) が使用されることが多いが, 薬剤の有効性の評価とともに副作用にも常に注意を払わなければならない.これは必ずしも治療効果イコール生命予後の改善となるわけではないためである.Na+チャネル遮断薬の使用に際しては, まず基礎心疾患の有無と心機能に注目し, これに応じて薬剤を選択する.一般には高度の心機能低下例ではIa群薬, IC群薬は避け, β遮断薬やアミオダロンを選択する.心機能低下が軽度であればIb群薬を選択することも可能である.心機能が正常であれば, 不整脈の種類とその発症に関わる自律神経の影響などを考慮し, Ia群薬, Ib群薬, Ic群薬のいずれかを選択する.発作性心房細動に対するNa+チャネル遮断薬の予防効果はいずれも約50%で, 薬物療法の限界とも考えられる.心房細動に対しては, 抗不整脈薬により洞調律維持をはかるかレートコントロールと抗凝固療法を行うか, 症例ごとに検討する必要がある.
  • ―房室結節に及ぼす自律神経活動の評価―
    岩崎 雄樹, 宮内 靖史, 大坂 元久, 小林 義典, 斎藤 寛和, 加藤 貴雄, 高野 照夫
    2003 年 23 巻 2 号 p. 190-199
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    房室結節における自律神経活動の評価法は確立していない.本研究は房室伝導時間変動の周波数解析により房室結節に及ぼす自律神経活動の影響を評価し得るか否かを検討した.対象は洞機能, 房室結節伝導能が正常の16例.心房連続刺激により洞周期変動を除去した状態, および洞調律中に右房 (A) および右室 (V) より心内電位を記録, A-AおよびA-V間隔の時系列データを高速フーリエ変換した.A-V間隔変動のパワースペクトラムはA-A間隔変動と同様の周波数域にピークを有し, 薬理学的自律神経遮断によりそれらは消失し, パワー値は有意に減少した.洞調律中の房室伝導時間変動のパワー値は, 心房ペーシング時のそれと比較して有意に小であったが両者は有意な正相関を示した、以上より, 房室伝導時間の周波数解析により房室結節に及ぼす自律神経活動の影響を評価し得るが, 洞調律中は洞周期変動の影響を受けパワー値が減弱していることに留意する必要がある.
  • 小松 隆, 中村 紳, 鈴木 修, 堀内 大輔, 蓬田 邦彦, 大和田 真玄, 亀田 邦彦, 及川 広一, 富田 泰史, 阿部 直樹, 奥村 ...
    2003 年 23 巻 2 号 p. 200-206
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    【目的】発現時間帯別の孤立性発作性/持続性心房細動 (Paf) における心房性ナトリウム利尿ペプチド (ANP) 変動と多剤抗不整脈薬療法の慢性化阻止効果を比較する.【対象・方法】Paf103例 (男性80例, 女性23例, 平均年齢67±11歳) を, 発現時間帯から日中型 (午前7時~午後5時, N=16) , 夜間型 (午後5時~午前7時, N=25) , 混合型 (両時間帯に出現, N=62) に分け, 慢性化阻止効果を長期に比較した.【結果】 (1) 頻拍時/洞調律時ANP比は日中型5.1±2.5, 夜間型4.5±3.6, 混合型2.8±1.9であり, 混合型に比し日中型ならびに夜間型で有意に高値であった (P<0.05) . (2) 3カ月目, 6カ月目, 12カ月目, 24カ月目, 36カ月目における慢性化阻止率は, 日中型100%, 94%, 94%, 88%, 88%, 夜間型100%, 100%, 96%, 96%, 92%, 混合型96%, 87%, 71%, 74%, 68%であり, 混合型に比し夜間型で有意に高率で (p<0.05) , 日中型で高率の傾向であった (p=0.096) .【結語】ANP分泌能が保たれている日中型ならびに夜間型Pafは心房筋障害が少なく, 心筋細胞膜チャネルへの薬理作用がより温存されている可能性がある.
  • 堤 由美子, 古川 かおり, 菅野 有紀, 丸山 良子, 佐藤 廣, 山本 真千子
    2003 年 23 巻 2 号 p. 207-212
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    閉経後の女性において虚血性心疾患, 心臓突然死の発生率が増加することはよく知られている.この際自律神経活動にも変化をきたすと考えられているが, 詳細は明らかにされていない.今回我々は, このメ力ニズム理解の一助として, 閉経前女性の正常性周期における性ホルモンの分泌変化が自律神経活動, および心電図所見に及ぼす影響について検討した.正常性周期をもつ若年女性において, 卵胞期と黄体期に, QTc, QT dispersion (QTD) , 心拍変動解析を行い, 2期を比較した.
    黄体期には心拍数, 収縮期血圧が上昇し, 高周波成分パワーが減少した.また, QTcが不変であったにも関わらず, QTDが延長した.以上より, 若年女性の性周期においても, 黄体期には迷走神経活動が衰退し, 心室内再分極過程のばらつきが増大することがわかった, この結果は, 閉経後の女性において虚血性心疾患, 心臓突然死の発生率が増加することの理解に有用と思われた.
  • 渡辺 則和, 小林 洋一, 丹野 郁, 佐久間 浩子, 三好 史人, 三上 慶乃, 勝又 亮, 河村 光晴, 劉 俊昌, 安達 太郎, 宮田 ...
    2003 年 23 巻 2 号 p. 213-222
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    【目的】動物実験で貫壁性の心筋の不応期不均一性 (transmural dispersion of repolarization: TDR) の増大がphase 3のバラツキによりリエントリーを促し, torsade de pointes (Tdp) などの心室頻拍と関連すると報告されたが, 臨床では不明である.そこでTDRと心室性不整脈 (VT) の関係を検討した.【方法】対象は非持続性心室頻拍, 持続性心室頻拍, 心室細動, または基礎心疾患をもち原因不明の失神発作を有する65例.コントロール (C) は, 顕性WPW症候群を除く発作性上室性頻拍を認めた65例を用いた.記録速度100mm/secで心電図を12誘導同時記録し, 前胸部誘導でT波の頂点から終末までの差をTpTeとした.【結果】EPSの心室頻拍誘発の有無で検討した場合, V4TpTe/√RRでは, 誘発群 (n=37) が非誘発群 (n=25) , C群 (118.9±26.1 vs 103.9±25.7, 104.1±22.6 msec, p<0.05) に比べ有意に延長した.次に観察期間中VT発生群 (n=13) とVT非発生群 (n=49) に分け検討した (平均観察期間747日) .VT発生群のV3TpTe/√RRがVT非発生群およびC群に比べ, 有意に延長した (132.5±37.4 vs 109.8±26.3, 107.4±24.1 msec, p<0.05) .【結語】TDRは心室頻拍誘発時・経過観察時の心室性不整脈発生予測因子となる可能性が示唆された.
  • ―microvolt T wave alternansの成因について―
    劉 俊昌, 丹野 郁, 松山 高明, 渡辺 則和, 箕浦 慶乃, 勝又 亮, 安達 太郎, 河村 光晴, 宮田 彰, 村上 幹高, 小林 洋 ...
    2003 年 23 巻 2 号 p. 223-230
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心筋梗塞後の心機能低下は突然死の危険因子である.また心筋梗塞後突然死には再分極過程の異常が関与する.そこで心室筋不応期不均一性を表す指標であるmicrovolt T wave alternans (以下TWA) と心筋梗塞後の心機能の関係を検討した.【方法】対象は心筋梗塞患者163人で, 男/女=141/22, 平均年齢62±10歳である.心筋梗塞発症急性期と慢性期 (3~6カ月) に心臓力テーテル検査を施行し, 慢性期に行われたTWA検査の結果と比較した.【結果】163例中TWA陽1生37例 (22.7%) , 陰性103例 (63, 2%) , 判定不能11例 (6.7%) , 評価不能12例 (7.4%) であった.陽性群は陰性群に比べ, 慢性期の左室駆出率が低く (46±12vs54±11%, p<0.01) , 左室収縮末期容量 (58±24vs43±18ml/m2, p<0.01) が大きかった.陽性群と陰性群の急性期心機能に差を認めない.しかし陰性群は慢性期の左室駆出率が急性期に比較し有意に改善したが, 陽性群の慢性期左室駆出率は急性期に比較して不変かまたは低下した.【結語】心筋梗塞患者の再分極不均一性を表すTWAは梗塞後の左室機能および左室リモデリングと関連する
  • 高木 克昌, 家坂 義人, 高橋 淳, 高橋 良英, 小林 建三郎, 藤原 秀臣
    2003 年 23 巻 2 号 p. 231-238
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    狭義のfocal atrial fibrillation (FAF) について, 電気生理学的特徴を検討した, 【対象】発作性心房細動 (PAF) の起源に対し, focalアブレーションを行った器質的心疾患を認めない39例.そのうち, 局所起源からの連続興奮が心房に興奮伝播する際に心房筋が細動化することなく興奮伝播が可能であった6例をFAFとし (男3人, 女3人, 平均年齢46±15歳) , 一方, 心房期外収縮 (APB) をトリガーとして局所連続発火興奮が出現し, 興奮伝播中に心房筋が細動化したもの33例をNon-FAF (男29人, 女4人, 平均年齢56±13歳) とした.【結果】Non-FAFの起源は, 肺静脈 (PV) 起源の症例が多かった (FAF2 vs Non-FAF 27, p=0.028) .FAFの平均の局所発火電位間隔 (Sp-Sp) は, Non-FAFと比較し, 有意に延長していた (237±77msec vs 144±39msec, p=0.029) .FAFでは心房プログラム刺激では, 心房筋の細動化は認めなかった.FAF例の中で発火興奮頻度が高い場合であっても, 上大静脈 (SVC) から右房へ伝導する際にexit blockを呈した1例では心房筋が細動化しなかった.【結論】FAFはNon-FAFに比較し高頻度刺激に対する心房筋の特性が異なっていた.FAFの発火興奮間隔は, Non-FAFに比較し有意に長く, そのことが, 局所発火興奮が心房を細動化させることなく心房における興奮伝播を可能にする要因と考えられた.
  • 谷本 耕司郎, 小川 聡
    2003 年 23 巻 2 号 p. 239-242
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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