心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
発作性上室性頻拍症に対するDiltiazem静注の効果
安部 晋之介永元 康夫黒岩 昭夫
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 4 巻 2 号 p. 179-183

詳細
抄録
発作性上室性頻拍症 (以下PSVT) の治療を, Ca拮抗薬であるDiltiazem hydrochloride (以下DZ) の静注によって行った報告は少ない。このため我々は, PSVTを有する症例5例にDZ, 10mgまたは20mgの静注を行い, この効果を検討した。その結果, 1) DZは, 5例全例のPSVTを停止せしめた。2) 対照薬として選んだEdrophonium chloride (以下ED) 10mgまたは20mgの静注では, PSVTの停止したのは5例中1例のみであった。3) 収縮期血圧は上室性頻拍発作中5例全例で低下していたが, DZ静注による発作停止後, 全例において上昇した (84.8±7.8→101.6±7.4mmHg, M±SEM, P<0.005) 。
以上の結果はDZの静注がPSVTの治療に有効であることを示している。
著者関連情報
© 一般社団法人日本不整脈心電学会
前の記事 次の記事
feedback
Top