心電図
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4 巻, 2 号
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  • 渡部 良夫
    1984 年 4 巻 2 号 p. 125-127
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • ―回顧と展望―
    後藤 昌義, 池田 佳津子
    1984 年 4 巻 2 号 p. 129-139
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    周知のように心臓拍動の本体は古くHippocrates (B.C.460-370) 以来の疑問であり, プネウマ説ほか諸説があったが, いずれも前近代的な学説であり, 実験科学的な追究はやはりHarvey (1628) の血液循環の発見以後に始まったといえよう。この17世紀以後の研究は心臓拍動の神経原説neurogenic theoryと筋原説myogenic theoryの論争をめぐって展開された。神経原説はWillis (1664) に始まるといわれ, 彼は心臓に至る神経を発見, 骨格筋におけると同様に心臓の収縮もこれを支配する神経の働きによると考えた。しかし一方, 骨格筋の収縮が筋の直接刺激でも出現することを見出したHaller (1754) は心臓へ還流する血液の伸展効果が心房拍動の原因であり, 心房収縮による心室の血液充満が心室収縮の原因と考え, いわゆる筋原説を提出した。
    Stannius (1852) がカエルの洞, 房, 室各部の結紮実験を行った頃は神経原説の最盛期であって, Claude Bernardが頸部交感神経の切断でウサギ耳血管の拡張を見出し, 血管収縮神経を発見した歴史的な年でもあり, Stanniusの実験結果も当時は静脈洞のRemakの神経細胞が自動能を支配し, 下位の神経節では自動能が弱いと, 現在の筋原説とは異なった神経原説で説明されていたようである。
    今世紀初めの田原 (1906) の房室結節, 刺激伝導系の発見, KeithとFlack (1907) の洞房結節の発見にひきつづき, 数多くの筋原説支持の研究があったが, CoraboeufとWeidmann (1949) の心筋へのマイクロ電極法の導入により, はじめて細胞レベルでの心筋自動能の筋原説が確証されたといえよう。以来, 細胞膜電位, 膜電位固定下の膜電流, 単一分離心筋における膜電位と膜電流, 単一イオンチャネルsingle channelの追究へと研究は飛躍的に発展し, 自動能の本態についても詳細な所見が明らかにされてきた。本総説では正所性または異所性自動能についての最近の進歩を紹介するとともに, その回顧と展望を試みたい。
  • 沢登 徹, 平野 裕司, 広田 秋彦
    1984 年 4 巻 2 号 p. 141-150
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    膜電位感受性色素メロサイアニン・ローダニン色素 (Dye XVIIやNK2761) を用い, 旋回性頻拍につき検討した。蛙心房のリング状標本の異なる8ヵ所より興奮波を光学的に同時記録を行い, Ca2+free液下で活動電位持続時間を短縮するためアセチルコリン (Ach) を用いた。その結果比較的低濃度Ach (10-10~10-9g/ml) で標本の約60%に頻拍を生じさせ得た。頻拍を発生させる要素には1) 持続時間が適当に短縮すること2) 特に近接領域に持続時間の不均一が生じること3) これらの領域に期外刺激を与えることが重要であった。発生した頻拍の初期はbeat間隔の不規則が目立ち, 以後その不規則は消失した。自発的に停止する場合突然であるが, その前にbeat間隔の動揺を示す場合であった。期外刺激で停止する場合, 先行周期の47~78%の間に刺激が与えられた時であった。
  • 真島 三郎, 高柳 寛, 村尾 覚, 平柳 要, 田中 博, 古川 俊之
    1984 年 4 巻 2 号 p. 151-156
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    体伝導度を一様とし, 一定形状のトルソについて境界効果を計算し, 無限導体中の体表電位を求めた。臨床例, トルソモデルによる実測データともに電位は大きく下降するが電位パターンの変化は比較的少なかった。トルソモデルの実験については直接計算で無限導体中の電位を求め, 境界効果の計算結果との一致を確認した。境界の存在による電位の増加は2~4倍程度で, 電源の方向や構造, 体表上の部位によって少しつつ異り, 方向ではY方向電源について大きく, 単純な構造の方が大, また部位では電源から遠い部位で大きい傾向であった。
  • ―等電位線のひずみに関する定量的検討―
    安宅 芳夫, 秋山 恭介, 坂東 重信, 中屋 豊, 河野 和弘, 浜井 一人, 森 博愛, 赤松 則男
    1984 年 4 巻 2 号 p. 157-164
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    瞬時装着型精密電極群 (124電極) を具えた試作体表面心臓電位図計を用い, 糖尿病者における心筋障害について検討した。
    対象は糖尿病者94例を用い, 高血圧合併群と高血圧非合併群に分類した。対照は正常成人35例を用いた。電位図分析はII誘導R波ピーク時における正電位領域の最大閉鎖ループについてフーリエ解析を行い, さらにフーリエ関数各成分を用いてひずみ率を算出させた。
    糖尿病群は正常群に比べて, フーリエ関数各成分およびひずみ率において有意に高値を示し, 特に高血圧を合併する群において顕著であった。しかし, 加齢による影響は認めなかった。
    本所見は糖尿病者における等電位線のひずみの強さを反映し, 興奮前面の不整を示唆している。電位図分析のこのような指標は, 糖尿病者の心筋異常の検出に有用と考えられた。
  • 長嶋 正実, 小川 昭正, 松島 正気, 小倉 良介, 兼子 哲一, 田中 明彦, 広石 裕一, 大須賀 明子, 矢崎 雄彦, 岡島 光治
    1984 年 4 巻 2 号 p. 165-172
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    小児期における不整脈はまれではなく, 健康小児でも新生児期から学童期にわたり, 小児期全般を通じ種々の不整脈が認められる。しかしその発現頻度に関してはその研究方法により差異がある。12誘導心電図や学校検診の心電図のように短時間の記録よりその頻度を求める場合とホルター心電図のように長時間記録した場合では明らかに異る。
    我々は以前よりホルター心電図により健康小児の不整脈を検討してきたが, 今回新生児より中学生までの小児期全般にわたり360名を対象にその出現頻度, 日内変動などについて検討したので報告する。
  • ―心室性頻拍症例の検討―
    秦 正, 西垣 隆志, 小竹 寛, 古瀬 倶之, 真柴 裕人
    1984 年 4 巻 2 号 p. 173-177
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    24時間連続記録心電図法を用い, 不整脈の日内変動を検討した。
    症例は26歳男性, 機能性心室性頻拍症例である。方法はHolter-Avionics Systemを用い24時間連続心電図を記録した。期外収縮の連発の様式で単発 (I) , 連発 (II) , 三連発 (III) , 四連発 (IV) , 五連発 (V) , に分類した。期外収縮数は全日不変で毎分40個前後であった。日中覚醒時は (II) , (I) が多く, 夜間睡眠時は (I) がみられず (III) が増加し, (IV) (V) の出現も認めた。 (I) から (V) の期外収縮の様式をP-Pのrateから検討した。P-Prateが少ないほど, 夜間睡眠時ほど期外収縮の連発が多かった。抗不整脈剤Disopyramide投与時は (III) が減じ (II) が増加し, 次いで (I) のみとなり洞調律になっており, また再発する場合は逆の順であった。
    本症では期外収縮数の変動からは全日不変型であったが, 期外収縮の連発の様式には日内変動があり, 自律神経機能が深く関与していると考えられた。
  • 安部 晋之介, 永元 康夫, 黒岩 昭夫
    1984 年 4 巻 2 号 p. 179-183
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    発作性上室性頻拍症 (以下PSVT) の治療を, Ca拮抗薬であるDiltiazem hydrochloride (以下DZ) の静注によって行った報告は少ない。このため我々は, PSVTを有する症例5例にDZ, 10mgまたは20mgの静注を行い, この効果を検討した。その結果, 1) DZは, 5例全例のPSVTを停止せしめた。2) 対照薬として選んだEdrophonium chloride (以下ED) 10mgまたは20mgの静注では, PSVTの停止したのは5例中1例のみであった。3) 収縮期血圧は上室性頻拍発作中5例全例で低下していたが, DZ静注による発作停止後, 全例において上昇した (84.8±7.8→101.6±7.4mmHg, M±SEM, P<0.005) 。
    以上の結果はDZの静注がPSVTの治療に有効であることを示している。
  • 浜井 一人, 山ノ井 昭, 福田 信夫, 大木 崇, 中屋 豊, 金村 章, 赤木 郷, 森 博愛
    1984 年 4 巻 2 号 p. 185-191
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心アミロイドーシスの際には, 前胸部誘導の異常Q波はしぼしばみられる所見であるが, それに加えて胸痛, ST上昇などの心筋梗塞様心電図所見を示したにもかかわらず, 剖検時に梗塞巣を認めず, 心筋壁内冠血管にアミロイドの広汎な沈着を認めた症例を報告する。本例では心筋壁内冠血管におけるアミロイド沈着のため慢性冠不全状態にあり, 一過性心筋虚血の増強の結果, ST上昇を来たしたものと考えられる。しかし心筋細胞は壊死に致らず, 剖検時に心筋梗塞巣を認め得なかったものと考えられる。
  • ―田原淳先生―
    真柴 裕人
    1984 年 4 巻 2 号 p. 198-201
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 4 巻 2 号 p. 202-218
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 4 巻 2 号 p. 219-242
    発行日: 1984/03/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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