抄録
5分間に25個以上の心室期外収縮を有する患者56名を対象にmexiletine注射剤の抗不整脈効果ならびに有用性についてlidocaine注射剤を対照薬にadequate well-controlled studyで比較した。
Mexiletineは3mg/kg1回静注に引き続き0.6mg/kg/hrの点滴静注を, lidocaineは1.5mg/kg1回静注に引き続き1.8mg/kg/hrの点滴静注を4時間行った。
心室期外収縮数は両薬剤群ともに有意に減少した。期外収縮改善度は5分間ECGにもとづく主治医判定, 中央委員会判定のいずれにおいてもmexiletine群が1idocaine群に比し有意に優れ, 試験時間中の連続記録ECGにもとづく中央委員会判定でも同様の成績が得られた。全般改善度, 有用度判定においてもmexiletine群が有意に優れた。めまい, 嘔気などの副作用が各群とも7例でみられた。両群とも心拍数血圧に著明な変化を示した症例はみられなかった。
以上の結果より本治験で用いた薬物の用法・用量では心室期外収縮に対しmexiletine注射剤はlidocaineと同等もしくは優れた抑制効果を示した。