心電図
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4 巻, 3 号
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  • 村田 和彦
    1984 年 4 巻 3 号 p. 253-254
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 西園 康文, 西 勝英
    1984 年 4 巻 3 号 p. 255-265
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    急性虚血最早期に出現する心室性不整脈の発生機序の解明は, 現在の心臓電気生理学の重要な関心事である。しかしながら, その基礎となるべき虚血心筋の細胞内電位変化に関して, 適切な虚血実験モデルが存在しないため, 充分に把握されていない。
    最近, 我々が開発した移植心筋を用いた虚血モデルでは, より生体位に近い虚血条件で, 刻々と変化する虚血最早期の心筋細胞電位変化の観察・記録が可能となった。
  • 横山 正義, 和田 寿郎, 長柄 英男, 笠置 康, 板岡 俊成
    1984 年 4 巻 3 号 p. 267-271
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    30症例の漏斗胸患者心電図を検討した。最も特徴的な所見は胸部誘導V1でP波が陰転していることで, そのP terminal forceは-0.104mm・secであった。これは重篤な僧帽弁狭窄症患者の所見に匹敵する。漏斗胸では運動負荷を施行しても, 手術前後のP terminal forceは変化しない。V1でP波が陰転する理由は, V1の位置が陥凹していること, 右房, 左房が左側に偏位していること, などのためである。また, 30症例中, 25症例に手術前, 右脚ブロック型を認めた。V1のT波は年齢をとわず全例に陰転していた。
    健康者, 僧帽弁狭窄症患者, 心房中隔欠損症患者, 大動脈弁閉鎖不全症患者, 肺動脈弁狭窄症患者についても, 運動負荷前後のV1P terminal forceを検討した。
    安静時では漏斗胸のP terminal forceが最も著明であった。運動負荷後では僧帽弁狭窄症のP terminal forceが著変する。
  • 井上 智夫, Muharrem Güldal, 伊藤 成規, 小林 克也, 福崎 恒, 韓 在哲
    1984 年 4 巻 3 号 p. 273-281
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Verapamil (V.) 静注前後でおのおの異なった電気生理学的反応パターンを示した房室結節リエントリー性頻拍の4例を経験し, V.の順行性fast pathway (FP) , slow pathway (SP) , および逆行性室房伝導路 (VACS) に及ぼす効果につき検討した。
    すなわち各例にてV.前後で房室伝導曲線の不連続性, echo zoneの出現様相, および発作性上室性頻拍 (PSVT) の持続能に差異を認めた。V.は順行性FP, SPに対して伝導を抑制し, VACSに対しては3例で抑制効果を示したが, 1例ではPSVT中のH-HRA時間でみる限り変化を生じなかった。PSVTの持続能はV後3例で消失し, 主な抑制部位は2例で順行路, 1例で逆行路と考えられたが, 他の1例では逆に持続能は充進した。
    各例でV.経口投与によるPSVTの発生に対する臨床効果を長期的に観察したところ, 3例は有効, 1例は無効であったが, これらの効果は電気生理学的検査に基づく評価と一致した。
    さらに本論文ではdual pathwaysの診断上の問題点やVACSの特異性についても考察を加えた。
  • ―心室ペーシング時心電図の検討―
    牛島 聡, 三崎 拓郎, 鎌田 栄一郎, 三井 毅, 向井 恵一, 川筋 道雄, 岩 喬
    1984 年 4 巻 3 号 p. 283-293
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    12誘導心電図による心室性頻拍発生部位診断を目的として臨床的研究を行った。開心術時に術後不整脈治療用ペースメーカーワイヤーを両心室の各部位に縫着しておき不整脈治療の目的で心臓ペーシングを行った際, 12誘導心電図を記録した。その50症例の心電図についてQRS波形パターン, QRS電気軸, QRS初期成分の極性と刺激部位との関係について検討した。
    心電図から刺激部位は右室7ヵ所, 左室7ヵ所に分類することができた。このことから12誘導心電図からVT発生部位を推定することができると考えられた。
  • 外畑 巌, 竹沢 英郎, 水野 康, 西嶋 憲治, 中野 赳, 野村 雅則, 加藤 林也, 中島 光好
    1984 年 4 巻 3 号 p. 295-308
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    5分間に25個以上の心室期外収縮を有する患者56名を対象にmexiletine注射剤の抗不整脈効果ならびに有用性についてlidocaine注射剤を対照薬にadequate well-controlled studyで比較した。
    Mexiletineは3mg/kg1回静注に引き続き0.6mg/kg/hrの点滴静注を, lidocaineは1.5mg/kg1回静注に引き続き1.8mg/kg/hrの点滴静注を4時間行った。
    心室期外収縮数は両薬剤群ともに有意に減少した。期外収縮改善度は5分間ECGにもとづく主治医判定, 中央委員会判定のいずれにおいてもmexiletine群が1idocaine群に比し有意に優れ, 試験時間中の連続記録ECGにもとづく中央委員会判定でも同様の成績が得られた。全般改善度, 有用度判定においてもmexiletine群が有意に優れた。めまい, 嘔気などの副作用が各群とも7例でみられた。両群とも心拍数血圧に著明な変化を示した症例はみられなかった。
    以上の結果より本治験で用いた薬物の用法・用量では心室期外収縮に対しmexiletine注射剤はlidocaineと同等もしくは優れた抑制効果を示した。
  • 奥村 謙, 堀尾 豊, 六反田 学, 平田 篤実, 内田 英雄, 高岡 恭治, 松山 公士, 荒木 淑郎, 小野 忠弘, 松本 芳彬
    1984 年 4 巻 3 号 p. 309-318
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ヒス束心電図および心房早期刺激法を用い, 機能的脚ブロック (FBBB, 右脚ブロック型: FRBBB, 左脚ブロック型: FLBBB) と心室性期外収縮 (PVC) との鑑別および, 心房早期刺激により生ずるRonT現象の頻度と, その際の機序につき電気生理学的に検討した。
    心房早期刺激によりA1A2, を短縮するとFRBBBの33%, FLBBBの53%の例は突然完全脚ブロック型となりFBBBの波形の変化はみられなかった。またFRBBBの67%, FLBBBの50%の例はA1A2の変動にてもその心室波はほぼ固定連結性で, これはA1A2短縮分が主にA2H2の一部例でH2V2の延長により相殺されたためであった。さらにA3刺激を加えA2A3を短縮しFBBB連続時のRonT現象の発生をみると, FRBBBの25%, FLBBBの71%の例でPrematurity Indexが0.85以下のRonT現象がみられ, これには変行伝導によるQT間隔の延長およびA3に対する房室結節の伝導性が関与していた。以上のようなFBBB出現様式の知見は日常臨床上とくにPVCとの鑑別や治療に際し注意すべきと思われる。
  • 芳野 二郎
    1984 年 4 巻 3 号 p. 319-327
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Disopyramide phosphate投与によるH-V時間の延長傾向は, すでに数多く報告されている。しかし, His束から右脚にかけての伝導性に関しての, 詳細な検討はなされていない。
    本研究は, 近接双極多極電極カテーテルを用いて, His束から右脚にかけての複数の刺激伝導系電位を記録し, disopyramide phosphate投与前後でH-V時間の詳細な検討を行った。
    対象は心室内伝導障害のない31症例である。Disopyramide phosphate 100 mg静注後, H-V時間は有意な延長を示した。しかし, His束から右脚にかけての刺激伝導時間の遅延はごく僅かであり, H-V時間の延長は, 右脚末梢より右室心筋にかけての刺激伝導時間の遅延によるものと判明した。心房早期刺激法による機能的伝導遅延についても検討を行い, 洞調律時と同様, His束から右脚にかけての刺激伝導時間の遅延はほとんど認められなかった。
    A-Vnode, His-Purkinje系の不応期についても測定したが, 有意差は認められなかった。
  • 勅使河原 敬明, 菱田 仁, 岡島 智志, 水野 康, 米谷 国男, 伊藤 誠, 馬島 秀泰, 福島 穣
    1984 年 4 巻 3 号 p. 329-337
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心電図波形の性差解明のため, 両側 (両側群35~43歳, 15名) または片側 (片側35~45歳, 13名) 卵巣摘出術を受けた者の術前, 術後1ヵ月, 6ヵ月の標準12誘導心電図を記録し, Ht値, 血中estrogen濃度, 血中K値, 体重との関連を検討した。
    QRS波は, 両群共に類似の変化を示し, これらはHt値や体重の変化の時間経過と一致し, この事から説明が可能である。しかし, T波の両側群の変化は, 心電図上の男性化する変化と言え, これまでの報告では説明出来ない。本結果でT波が卵巣摘出後で短期間のうちに変化し血中estrogenの変化と逆相関し, 他の臨床検査値の変化との関係を認めなかった事からestrogenの関与が示唆された。
  • 山岡 薫, 山本 正治, 橋本 正樹, 末田 隆, 土岡 由紀子, 松浦 秀夫, 銕 寛之, 吉田 正男, 梶山 悟朗, 佐倉 幸子
    1984 年 4 巻 3 号 p. 339-349
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/12/10
    ジャーナル フリー
    WPW症候群に二重房室伝導経路を合併し, 興味ある頻拍発作様式を呈した一症例を経験した。症例は47歳の男性で, 約10年前より頻拍発作を反復していた。心電図ではA型WPW症候群を呈し, 副伝導路の不応期が295msecと比較的短いにもかかわらず, 房室伝導曲線より二重房室伝導経路の存在が示された。頻拍発作様式は, disopyramide 1.5mg/kg投与前には順行性にslowpathway, 逆行性に副伝導路を伝導する回帰性頻拍であったが, 投与後には順行性にfast pathway, 逆行性に副伝導路を伝導する回帰性頻拍に変化し, しかも途中, 順行性にslowとfast pathwayとを交互に, 逆行性に副伝導路を伝導する交代性頻拍を呈した。このような順行性伝導経路の変化は, disopyramide投与後, fast pathwayの有効不応期が短縮し, かつ発作中のVA時間が延長したためと考えられた。かかる症例は稀であり報告した。
  • 川口 浩, 福田 圭介, 仁位 隆信, 河野 知記, 広木 忠行, 荒川 規矩男
    1984 年 4 巻 3 号 p. 351-357
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    WPW症候群では副伝導路の存在により房室ブロックは生じにくいと考えられるが, A型WPW症候群に急性心筋梗塞を合併し, 第6病日に一過性の完全房室ブロックを認めた稀な1例である。症例は70歳女性で10年前よりWPW症候群・高血圧で通院中であった。約4時間に及ぶ左前胸部痛を主訴として来院。血沈の亢進, 心筋逸脱酵素の上昇より急性心筋梗塞と診断し入院となる。心電図ではA型WPW症候群の所見に加えてIII・aVFにST上昇III誘導にS波。胸部誘導でST低下を認め, さらにS波の増強, 冠性T波が出現しAjmaline静注後のデルタ波消失時にはIII・aVFに異常Q波を認めた。第6病日に完全房室ブロックが出現し, 一時ペーシングを余儀なくされたが, その補充収縮はQRS幅0.16secの左脚プロック型を呈していた。心エコー図, 心筋シンチグラムにて前壁中隔・下壁の心筋梗塞が示唆され, 冠動脈造影ではLAD, RCAに有意の狭窄を認め陳旧性前壁中隔梗塞に急性下壁梗塞が加わったと判断した。
  • 加藤 和三, 真島 三郎
    1984 年 4 巻 3 号 p. 368-378
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 4 巻 3 号 p. 379-386
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 4 巻 3 号 p. 387-404
    発行日: 1984/05/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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