抄録
ヒス束心電図および心房早期刺激法を用い, 機能的脚ブロック (FBBB, 右脚ブロック型: FRBBB, 左脚ブロック型: FLBBB) と心室性期外収縮 (PVC) との鑑別および, 心房早期刺激により生ずるRonT現象の頻度と, その際の機序につき電気生理学的に検討した。
心房早期刺激によりA1A2, を短縮するとFRBBBの33%, FLBBBの53%の例は突然完全脚ブロック型となりFBBBの波形の変化はみられなかった。またFRBBBの67%, FLBBBの50%の例はA1A2の変動にてもその心室波はほぼ固定連結性で, これはA1A2短縮分が主にA2H2の一部例でH2V2の延長により相殺されたためであった。さらにA3刺激を加えA2A3を短縮しFBBB連続時のRonT現象の発生をみると, FRBBBの25%, FLBBBの71%の例でPrematurity Indexが0.85以下のRonT現象がみられ, これには変行伝導によるQT間隔の延長およびA3に対する房室結節の伝導性が関与していた。以上のようなFBBB出現様式の知見は日常臨床上とくにPVCとの鑑別や治療に際し注意すべきと思われる。