抄録
機械工学に関する教育の原点はモノ作りから始まるといっても過言でない.モノ作りを体験することによって,想像力が養われ,それが経験となり自信となる.しかしながら,これまでに体験していない学生にモノを作らせることは興味を引き起こす点で意義がある.しかしモノ作りそのものが面白くなって,それが工学教育すべてのように錯覚することがしばしば見受けられ考えさせられる.このような状況から,工学教育にふさわしいモノ作りとは何か,学生に興味をひき,実利感の味わえるテーマとは何を指すのか模索してきた.本稿ではモノ作りの実践例として,ロボットハンドの製作に関するモノ作り教育の事例を述べる.