大阪府三島救命救急センターは高槻島本地区(人口約39.3万人,平均年齢36.9歳)の中央からやや南西に位置し,この地区の多くの地域から15分以内に救急来院が可能である。地区内で発症した急性大動脈解離はCPA症例を含めほぼすべて当センターヘ搬入されていると考えられる。目的:1989年1月から1997年8月までに高槻島本地区で発症し当センターに搬入された急性大動脈解離の発生状況と転帰について検討を加えた。対象:平均年齢65.0±15.7歳,男性37例,女性28例であった。Stanford分類A型は40例,B型は25例であった。結果:A型のうち22例は来院時心肺停止状態(CPAOA)でありすべて死亡した。残りの18例のうち7例は手術にいたらず死亡し,10例に対し人工血管置換などの手術を行い,7例が生存し,3例を失った。結局救命したのは8例であった。一方,B型解離にはCPAOAはなく,24例中1例が死亡したのみであった。結語:急性A型大動脈解離は急性期の死亡率が極めて高く,治療成績向上もさることながら,成因の追求や予防法の確立が望まれる。