今回,われわれは「中心静脈カテーテル留置後に緊張性血気胸を合併した死亡事故」という院内製作ビデオを用いて全職員が参加するワークショップを開催し,医療事故が発生した場合の対応と事故防止対策について討論した。277名(全職員の51.7%)の参加者があり,院内スタッフが演じた医療事故ビデオによる事例提示は視覚と聴覚に訴えるだけでなく,仮想体験としてより現実に近い感覚が得られ,安全管理に関する詳細な検討が可能で,参加者の98.1%が満足していた。医療安全管理システム(予防策,安全管理マニュアル,事故後の対応など)の重要性を認識するためには,講演などの形式より,参加者が自発的に考え,作業し,討論することにより,職種間の合意を形成するワークショップ形式の手法が効果的であった。さらに,その話題提供の材料として,顔なじみの院内スタッフが演じるビデオを用いることは,体験学習として現実味があり有用であった。