2007 年 10 巻 3 号 p. 333-335
一医療機関から見た救急医療の問題点, とくに二次救急医療について考察した。当院は1995年の新病院移転時より救急部を開設し救急医療の提供を開始したが,受診患者総数, とくに自力受診患者数は増加の一途をたどる一方で救急車搬入患者を断るという問題点が出てきた。この理由には救急医をはじめとする医療側のマンパワーの問題,施設などの構造上の問題,救急病床運用のようなシステムの問題などが背景にあり,一部は院内での対策で解決可能であった。しかしながら高度化多様化を続ける社会の救急医療への要求に今後とも対応して行くためには,一施設ではなく地域や行政面での対策を真剣に議論する必要がある。