2007 年 10 巻 3 号 p. 342-347
小児救急医療をめぐっては保護者の救急診療へのニーズの増大と多様化に医療側が対応できないために混乱が生じている。小児科学会や厚生労働省は病院小児科の集約化・重点化の推進により小児医療を確保する方針であるが,実施には時間がかかるだけでなく,折からの医師不足のため都市部と地方の医療格差は広がる一方である。今回,病院小児科の集約化・重点化の推進に伴い,小児科医がER体制をとっている救命救急センター等で救急医と協働することの重要性を述べると共に,教育カリキュラムの確立による「小児救急専門医制度」に向けての取り組みの重要性について言及した。