背景:特別養護老人ホーム(特養)で協力病院(協病)に収容を断られたCPA患者の治療を経験し,家族の意向を受けて急変患者に対する特養の対応の現状を調査した。方法:2005年に救急隊が特養に出場した251件で,現場医療者の有無,協病収容率を調査した。CPA 13例についてはbystander CPRの質も検討した。また市役所も特養の医療機器,急変患者の搬送先調査を行ったので併せて検討した。結果:現場に医師・看護職員がいたのはおのおの1%・68%,患者が協病に搬送されたのは35%。救急隊が協病に収容依頼を行ったのは協病別に13~70%,その受け入れ率は50~94%。CPA事例のbystander CPR施行率は77%,適切に行われたのは38%。特養に心電図,AEDはほとんど配備されていなかった。結語:特養における医療者の対応,協病との関係,CPRの内容,配備機器,記録に関して改善すべき点が多い。