日本臨床救急医学会雑誌
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ISSN-L : 1345-0581
原著
モーションキャプチャを使用した胸骨圧迫法の検討
遠藤 久慶岡崎 康広岩田 知洋関戸 響子櫻井 勝小口 喜美夫
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2009 年 12 巻 1 号 p. 8-16

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抄録

もし急に人が倒れても,すぐに救急車が到着するとは限らない。この場合,救命にあたり最も重要な処置は効果的な胸骨圧迫とAEDによる除細動である。とくに胸骨圧迫は特別な器具を必要とせず,心停止時に血中酸素分圧が維持されている症例ではきわめて重要である1)。場合によっては,バイスタンダは長時間の胸骨圧迫を行わなければならず,そのためには効率的な胸骨圧迫が必要とされる。目的:本研究では,熟練者が行う胸骨圧迫は効率的であることを明らかにし,そのうえで胸骨圧迫時の効率的動作と非効率的動作の相違点について検討し,効率的な圧迫動作に対する重要点(ポイント)を抽出する。このポイントを非熟練者に指導することで効果的でまた効率的な胸骨圧迫を習得させうるかを試みる。方法:胸骨圧迫法に熟練した被験者(救急救命±6名)と経験の浅い被験者(6名)に心肺蘇生練習用人形に対する胸骨圧迫を実施させ,各種機器を用いて連続した胸骨圧迫中の肘の角度,筋活動量,圧迫の深さ,圧迫の回数の変動について測定した。結果:熟練者は非熟練者に対し,明らかに効率的な胸骨圧迫を行っていた。その動作のポイントが「肘の角度の固定」にあると考えられた。非熟練者に対し肘を「まっすぐ伸ばすよう」に口頭で修正することで,容易に熟練者と同等の胸骨圧迫に改善され,余計な筋肉を使うことなく,効果的でまた効率的な胸骨圧迫を実施させることができた。

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© 2009 日本臨床救急医学会
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