日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
山口県における市民による除細動プログラムの検証
金田 浩太郎笠岡 俊志石川 慎太郎金子 唯小田 泰崇井上 健鶴田 良介前川 剛志
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2009 年 12 巻 1 号 p. 31-36

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抄録

目的:山口県内の医療施設以外における自動体外式除細動器(automated external defibrilator,以下AEDと略す)設置状況を調査し,その現状と問題点を明らかにする。方法:県や市町村の資料,県内の消防本部および施設への電話調査によりAED設置施設数,院外心肺停止(cardiopulmonary arrest,以下CPAと略す)発生件数およびAED使用例を調査した。結果:山口県内のAED設置施設数は375施設で,AED設置1施設に対する人口は約4,000人であった。市・郡別AED設置施設数には地域格差を認めた。AED設置施設数に対するCPA発生件数(35~59件)にも地域格差を認めた。また一般市民が除細動を実施した2症例で社会復帰を認めた。結論:山口県においてもAED設置が普及しているが設置場所の把握,分布,維持,救助者の育成,結果の検証などの問題が部分的に確認された。今後,このような調査が全国的に行われ,AEDの導入に役立てられることが望まれる。

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© 2009 日本臨床救急医学会
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