2009 年 12 巻 3 号 p. 348-351
受傷直後心肺停止に陥ったが,現場から開始された蘇生術により心拍再開した環椎後頭関節脱自の救命例を経験した。環椎後頭関節脱自の救命例は比較的まれであるが,病院前診療の質の向上や搬送時間の短縮により救命例が増えつつある。環椎後頭関節脱自は初期診断時に見逃されやすく,頸椎側面レントゲンにおいてbasion-axial interval,basion-dens intervalを測定することで診断感度が上昇するという報告があり, とくに意識障害を合併している外傷患者には頸椎側面レントゲンにおいてbasion-axial interval,basion-dens intervalを測定すべきであると考えられた。