日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
埼玉DMAT 連携隊(防衛医科大学校病院・所沢市消防本部 連携隊)の結成
柳川 洋一大河原 治平荒幡 憲作松本 和枝塩見 直子村山 のぞみ相澤 雄介阪本 敏久
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キーワード: DMAT, 連携隊, 機動力, 通信能力
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2010 年 13 巻 1 号 p. 46-48

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抄録

防衛医科大学校病院は防衛省管轄機関であり,医官の教育,研究機関として存在しているが,現時点では専用の回転翼はもちろん,救急車両や専用の通信手段も保有していない。当院は平成19年に県より災害拠点病院に指定され,その後,DMATを1隊養成した。しかし,他のDMATと同様に機動力と通信能力に関する問題があった。そこで,当院救急部が所沢市とドクターカーの出場協力を行っている関係を生かし,東京都を除いて首都圏では地方自治体としてはじめて,埼玉DMAT連携隊としての協定を両機関間で締結した。現在のところ, この連携隊は埼玉県内全域の中・大規模災害を対応とした地域DMATとしての活動のみの予定である。同協定により,埼玉県地域における災害への取り組みに関しては,当院DMATの弱点である機動力と通信能力の問題は克服された。また,連携隊活動を通じた地域災害への日常的な取り組みを実施することにより,DMAT隊員養成研修時に習得した知識と技能を平時においても維持,共有していくシステムが構築できたため,大規模災害時により円滑な行動が可能となると考えている。

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© 2010 日本臨床救急医学会
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