日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
調査・報告
民間救急救命士養成校の病院実習の現状と課題
―とくに実習項目Aについて―
川井 桂吉川 惠次和田 貴子沼上 清彦大橋 教良田辺 敦森下 伊津夫神納 光一郎田中 秀治太田 宗夫
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 13 巻 3 号 p. 319-327

詳細
抄録

全国救急救命士教育施設協議会では,教育の質的向上を目的として,平成11年度より会員校の病院実習の履修状況についてアンケート調査を実施している。平成19年度までに病院実習を行っている会員校21校に対して,法令「救急救命士養成所の実習要領及び救急救命士に指示を与える医師の確保について:臨床実習施設における実習の細目(A~D)」に規定された項目(以下:実習項目)を調査した。ここでは,実習項目のうち「実習項目A」の実施率について報告した。結果:実習項目Aの実施率は,多くの項目で高率であったが,「精神科領域の処置」,「小児科領域の処置」については実施率が低かった。また,「酸素投与」,「胸骨圧迫心マッサージ」など養成校間で実施率に差がある実習項目も認められた。よりよい病院実習の実施には,医療機関からの協力を前提とし,各校が実習施設との密な情報交換を行い,改善をはかる努力が大切である。

著者関連情報
© 2010 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top