2010 年 13 巻 3 号 p. 405-409
アナフイラキシーにより誘発された冠攣縮の2症例を経験した。症例1は60歳代,男性。魚介類を食べた後にアナフイラキシー症状が出現し救急搬送された。胸部症状はなかったが,救急車内のモニター心電図でST上昇を認めた。救急室到着時にはST上昇は改善しており,入院後の冠動脈CTでは有意狭窄を認めず,アナフイラキシーにより誘発された冠攣縮と考えた。症例2は60歳代,男性。セフトリアキソン点滴静注後にアナフイラキシーショックとなり救急室に搬入された。心電図でⅡ,Ⅲ,aVFにST上昇を認めたが,アドレナリンの筋注で血圧は安定し,またST上昇も改善した。症例1と同様にアナフイラキシーにより誘発された冠攣縮と考えた。アナフイラキシー患者の対処時には冠攣縮の併発に注意する必要があると考えた。そしてショック時には,アドレナリンの投与が有効であると考えた。