日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
症例報告
急性カルバマゼピン中毒の経過中に伝導障害がみられた1例
山本 理絵守田 誠司青木 弘道櫻井 馨士猪股 誠司中川 儀英山本 五十年猪口 貞樹
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 13 巻 4 号 p. 541-544

詳細
抄録

カルバマゼピン(テグレトールTM)の過量服薬による急性中毒に伴って伝導障害を呈した若年の症例を経験したので報告する。症例:20歳代,女性。境界型人格障害の診断で精神科へ通院中。衝動的にカルバマゼピン9,800mgを服用し,当院救命救急センターヘ搬送となった。来院時,高度意識障害と嘔吐を認め,気管挿管後に胃洗浄し集中治療室へ収容して人工呼吸器管理を行った。来院時心電図は正常であったが,カルバマゼピン血中濃度の上昇に伴い伝導障害がみられ,血中濃度の低下とともに正常化した。意識障害もカルバマゼピン血中濃度の低下とともに改善して第4病日には意識清明となり,第7病日精神科病院へ転院となった。結語:カルバマゼピンの過量服薬による急性薬物中毒の患者では,長期服用者や高齢・心疾患などの危険因子をもつ症例と同様に,経時的な血中濃度とECGの測定が必要と考えられた。

著者関連情報
© 2010 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top