2010 年 13 巻 4 号 p. 545-552
くも膜下出血の典型的な症状としては,突然の激しい頭痛である。しかし,症状が軽い場合には,医療機関を受診しなかったり初診時に見逃されたりして,症候性脳血管攣縮の状態で受診することがある。受診時の頭部CTですでにくも膜下出血が消退していれば,脳梗塞との鑑別が困難になる可能性がある。また,手術を行うタイミングを含めた治療戦略も問題となる。今回,症候性脳血管攣縮で受診したくも膜下出血を4症例経験した。3症例は急性期に医療機関を受診していたが見逃されていた。症例の検討から見逃しを防ぐためには詳細な病歴聴取が必要であることが考えられた。また,4症例とも待機的に手術を行い社会復帰可能であった。手術時期としては脳血管攣縮が改善するまで待機して,改善後は可能な限り早期に開頭クリッピング術を行うことが必要と考えた。