2013 年 16 巻 2 号 p. 75-80
「救急分野での終末期医療に関する指針」の作成作業が脳死下臓器移植の理解に効果的であるか検討した。研究方法:指針の作成作業の修了後,作成作業が脳死下臓器移植の理解を深める助けとなったか,職員へその啓蒙効果を調査した。結果・考察:この指針の作成過程で,救急分野での終末期の捉え方,終末期医療の流れ,終末期の医療内容の選択などについて議論した結果,その終末期医療に対する知識の追加は小さく,終末期医療の流れの中で脳死下臓器移植の位置づけを職員に大きく変えさせるものではなかったが,脳死下臓器移植の理解度を増すことができ,終末期医療の選択決断に教育的効果があったと調査結果からわかった。結語:「救急分野での終末期医療に関する指針」を作成する作業が救急医療から移植医療への流れを理解する助けとなり,この作業を行うことは脳死下臓器移植の啓蒙に効果的であると示唆された。