日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
上部消化管出血と意識消失で発症した胃十二指腸動脈瘤と上腸間膜動脈の分枝瘤のSegmental Arterial Mediolysis同時破裂の一例
今村 友典小澤 博嗣河野 裕嗣金子 健二郎竹本 正明伊藤 敏孝
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2017 年 20 巻 5 号 p. 666-671

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抄録

82歳の男性が吐血と意識消失で当院へ救急搬送された。来院時はショック状態で,身体所見から上部消化管出血と判断した。Computed Tomography(以下,CT)検査で十二指腸内に造影剤の漏出を2カ所認めた。血管造影検査で胃十二指腸動脈瘤と上腸間膜動脈の分枝瘤の同時破裂による出血を認め,コイル塞栓し軽快退院した。血管造影検査の所見から原因はSegmental Arterial Mediolysis(以下,SAM)と考えられた。わが国におけるSAMの同時破裂は過去に2例のみで,いずれも消化管内腔に出血した例はなく,きわめてまれな症例であり報告する。

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© 2017 日本臨床救急医学会
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