日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
サクションカテーテル接続硬性喉頭鏡ディスポーザブルブレードの開発と効果の検証
小野木 堂人吉岡 耕一田久 浩志植田 広樹曽根 悦子田中 秀治
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2018 年 21 巻 5 号 p. 648-653

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抄録

目的:病院前救護活動において,口腔内に貯留する,また持続する吐物による上気道閉塞に対し,気道確保が困難な症例が存在する。そこで本研究では喉頭展開と吸引が同時に行える気道確保デバイスとして,Macintosh型喉頭鏡用のディスポーザブルブレードに18Frネラトン型カテーテルを接着したものを試作し,その効果を検証した。方法:【研究1】5種類のサクションカテーテルの吸引性能を比較した。【研究2】考案したデバイスを装着したMacintosh型喉頭鏡(吸引喉頭鏡),金属ブレードを装着した同喉頭鏡(McL,吸引はヤンカー型),Airwayscope ®(AWS,吸引は12Frネラトン型)の3種について,口腔内出血貯留モデルを用いて比較した。【研究3】吸引喉頭鏡とMcLの2種について,口腔内持続吐出モデルを用いて比較した。結果:【研究1】ネラトン型カテーテル4種については口径が大きくなるにつれて,吸引時間が短くなった。ヤンカー型カテーテルの吸引時間はネラトン型カテーテルの16Frと18Frの間の時間であった。【研究2】挿管時間は吸引喉頭鏡,McL,AWSがそれぞれ13.74±6.89,15.90±3.26,23.99±14.20秒であり,吸引喉頭鏡(p<0.001)およびMcL(p<0.05)がAWSに対して有意に短かった。【研究3】挿管実施時間はMcLが40.35±13.3秒であった。一方,吸引喉頭鏡では22.83±15.39秒であり,McLの57%の時間であった。両者の挿管実施時間の間には有意差があった(p<0.003)。結論:本研究で試作した吸引喉頭鏡は介助なしで挿管時間を短縮できることが示唆された。

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