日本臨床救急医学会雑誌
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原著
日本医科大学付属病院ERにおけるパニック値と緊急度トリアージに関する検討
須﨑 真宮内 雅人小原 俊彦兵働 英也柴田 泰史川井 真安武 正弘横田 裕行
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2019 年 22 巻 3 号 p. 449-454

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抄録

ERにおけるパニック値報告の臨床的意義を明らかにするため,緊急度トリアージとの関連性を検討した。2016年1〜12月に当院パニック値報告1,193例中,救急・総合診療センター初診患者54例の年齢,性別,来院方法,緊急度トリアージ(JTAS),報告時間帯,疾患分類を調査した。初診患者10,095例中,パニック値報告54例(男性33例,女性21例),平均年齢61±22歳であった。来院方法は救急車53.7%,walk in 46.3%。JTASでは蘇生1.9%,緊急18.5%,準緊急61.1%,低緊急16.7%,非緊急1.9%,報告時間帯は日勤46.3%,夜勤53.7%であった。疾患別に消化器27.8%,内分泌20.4%,血液18.5%,感染症9.3%,腎・泌尿器9.3%であった。一次・二次救急患者のパニック値報告例では緊急度の幅が広く,低緊急レベルの中に重症が含まれることもあり注意を要する。

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© 2019 日本臨床救急医学会
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