2022 年 25 巻 4 号 p. 694-703
われわれはMobile Stroke Unit(MSU)の日本導入プロジェクトとして,地域の脳卒中の病院前医療の現状,およびMSUの有用性と導入・運用の問題点を知ることを目的に,全国アンケート調査を実施した。対象は脳卒中協会支部,救命救急センター,脳卒中専門病院,消防本部とした。その結果,地域により脳梗塞t-PA治療の受療格差と,要請から病院到着間の遅延の問題を認めた。MSUがt-PA治療に役立つという回答は各々34.4%,30.7%,36.8%,48.3%であった。脳卒中・脳疾患全般に役立つという回答は各々53.1%,44.8%,56.7%,59.7%とより高率であった。これらの回答は都市・町村や過疎地域で目立った。一方,運用体制,スタッフ確保やコストの問題が多く指摘された。MSUは日本の地方地域で有用と思われる。問題点の解決を地域組織の構築,遠隔通信の活用,MSUの低コスト化などで検討する必要がある。